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7月4日(金) ・7月11日(金) 各18:00~
Ⅰ.若冲作品模写パフォーマンス
―“現代の若冲”小林東雲画伯が若冲に挑む―
Ⅱ.鼎談 小林東雲・景山由美子(若冲研究家 古美術景和代表)
・永井龍之介
作家より
求め続けてきた「墨と自分の融合の道 Sumi-e」
この歳になって、ようやく墨の声を僅かに感じ取れるようになった気がします。
思えば幼少の時から墨や紙に囲まれた環境の中で育ってきた私は、時にそれらに反発し、時に融和し、教えられながら、気がつけば還暦を越え、今に至っています。世阿弥の風姿花伝に見られるように、齢とともに筆の技術の衰えを感じる今になって、やっと墨が対等に語りかけてくれ始めたように思えるのです。
私の求め続けてきた「墨と自分の融合の道」へのスタート地点に、ついに立てたような気がします。今回の展覧会を開催できますことは、自分の来し方行く末を自らに問いかけるきっかけであり、広く海外にもその真価を問う「Sumi-e」への最後の挑戦でもあります。
是非ご高覧頂ければ幸いです。
小林東雲
主旨
かねてより日本美術の本道である水墨画の伝統を現代に生かす画家の登場を待望してきましたが、出会いました。このたびご縁を頂き、現代水墨画の巨匠小林東雲画伯の個展を初めて開催します。
3月「伊藤若冲展」での若冲模写で、生きるリズム呼吸と体全体、筆、墨、紙が一体化し若冲が乗り移ったかのようなパフォーマンスを目の当たりにし、思わず“若冲降臨”と叫びました。
躍動する線と余白を生かした空間描写で自然界のみずみずしい息吹を伝える作品は、日本美の王道“気韻生動”に溢れ、見る人を魅了します。
動物の本能を力強く表現した勇壮な「獅子」「勇鷹」、宇宙に連なる地球の尊い生命を想起させる円窓森羅万象シリーズなど一堂に展示します。清涼な展示空間で“水墨画の枠”を味わいながら夏のひとときをお過ごし頂ければ幸いです。
永井龍之介