Exhibition

展示会

若冲 J a k u c h u
銀座降臨!展
―若冲水墨画と江戸絵画―

会期

■2024.3/9(SAT)- 3/30(SAT)10:00~18:00 日曜休廊

協力

景和コレクション(古美術景和)

※作品保護のため、マスク着用で鑑賞して頂きたくお願いいたします。

開催イベント

YouTube 「鑑定士永井龍之介のアート探求サロン」
対談: 景山由美子(若冲研究家、古美術景和 代表)・永井龍之介
配信日時:3月1日(金)前編 /3月8日(金)後編 いずれも18時~

若冲の水墨画の魅力を
ギュッと凝縮!

 若冲といえば『動植綵絵』に代表される彩色画を思い浮かべる方も多いでしょう。鮮やかできらめく色彩に満ち、精緻の限りを尽くした絵画表現は、観るものを濃密で幻想的な世界へと誘います。一方、紙に墨で表現された水墨画は、若冲の対象への興味や情愛、彼が持つユーモアや優しさがダイレクトに伝わります。また、その大胆かつ伸びやかな筆の動きを追うことで、若冲の身体性も実感することができます。
 この展覧会では、若冲お得意の「鶏」や「鯉」のほか、「鷹」、「鶴」、「子犬」、「大根」、「串貝」、さらには「寒山」といった禅味あふれる画題まで、さまざまな対象を描いた水墨画が揃います。制作年代も、初期作に当たる40代から80代の最晩年まで。これらの作品を通して、技法・表現の変遷はもちろんのこと、若冲が最期まで描くことへの情熱を持ち続けていたことがお分かりになるでしょう。
 ガラス越しでは決して味わえない、若冲の息遣いや作品に込めた想いを、ぜひ感じてください。

景山由美子(若冲研究家、古美術景和 代表)

主旨

 かねてより“日本美の本道は墨にあり”という思いがあり、 水墨画と書に深く傾倒しています。
 数年前から有志による「水墨画研究会」を立ち上げ、歴史、画材、技法など様々な角度から折々に水墨の意義を検証していますが、このたびそのご縁から本展を開催できることになりました。
「動植綵絵」三十幅に代表される色鮮やかなイメージが強い若冲ですが、繊細な線描、墨の濃淡で自然の息吹を生き生きと描写する水墨画にも大きな魅力があります。
 今回「生誕300年 若冲の京都 KYOTOの若冲」(京都市美術館2016年10月-12月)展覧会ポスター、パンフレットに採用された「竹に雄鶏図」をはじめ貴重な名品の数々を展示いたします。 古美術や現代アートの枠を越え、多くの美術ファン垂涎のアーティストの展覧会を開催できますこと、改めて関係者の皆様に御礼を申し上げます。

永井龍之介

展示作品

伊藤若冲12点 ●は販売可

1.竹に雄鶏図 【A】
2.蘿蔔(らふく)図 賛:無染浄善
3.双狗子図 賛:細合半斎 【A】/【B】
4.寒山図 【C】
5.月梅図
6.鷹図 【A】/【B】/【D】
7.竹に雄鶏図
8.鯉図 【A】
●9.串貝図 歌:賀茂季鷹 【A】/【E】/【C】
10.蝶に狗子図 【A】
●11.田家双鶏図 (落款:米斗翁七十九歳画)
12.双鶴図 賛:村瀬栲亭(落款:米斗翁八十一歳画) 【A】/【D】

出品歴 

【A】生誕300年 若冲の京都 KYOTOの若冲(京都市美術館)2016
【B】江戸絵画名品展(ロシアモスクワ/国立プーシキン美術館)2018
【C】東日本大震災復興祈念伊藤若冲展(福島県立美術館)2019
【D】いろトリどり-描かれた鳥たち(嵯峨嵐山文華館)2019
【E】若冲と光瑤(石川県立美術館)2018

江戸絵画6点 ●は販売可

●13.長沢芦雪 「竹に雀図」紙本墨画淡彩
●14.鈴木其一 「春草図」絹本著色
●15.魚屋北渓 「松竹梅亀図」紙本墨画淡彩
●16.仙厓義梵 「文殊菩薩画賛」紙本墨画 【ZENGA 白隠と仙厓展(佐川美術館)2019】
●17.中原南天棒 「南無阿弥陀佛」絹本墨書
●18.中原南天棒 「案山子図画賛」絖本墨書

作家プロフィール

伊藤若冲

Jakuchu Ito

1716-1800《正徳6年 享保元年-寛政12年》

1716 
1歳   京に三代続く青物問屋「桝屋」の長男として錦街に生まれる
1738
23歳  父の死去により家督を継ぎ、枡屋四代目主人に
1755
40歳  家督を次弟に譲り、画業に専念
1759
44歳  鹿苑寺大書院の障壁画を制作。本格的に画家デビュー
1764
49歳  金刀比羅宮奥書院の障壁画を制作
1765
50歳  相国寺に『釈迦三尊像』と「動植綵絵」(24幅)を寄進
1768
53歳  京在住の文化人名録『平安人物志』画家部門の上位に載り、人気画家の仲間入り。以降、不動の人気を誇る
1771-73
56-58歳  錦青物市場の停止争議が勃発。町役として市場再開に尽力
1773
58歳  宇治の黄檗宗・萬福寺の住持・伯玽照浩より「革叟」号と僧衣を授かる
1776
61歳  この頃より、黄檗宗・石峰寺の裏山に石仏群を造営
1788
73歳  京都大火により居宅と画室を焼失。大阪に一時避難する
1793
78歳  この頃までに石峰寺の門前に居を構える
1800
85歳  9月10日没。石峰寺に埋葬
※年齢は数え年

長沢芦雪ながさわろせつ

1754-1799(宝暦4-寛政11)

伊藤若冲や円山応挙、池大雅などの画家が活躍した18世紀の京で人気を博した画家。円山応挙の一番弟子として師の画風に通じた絵を描くとともに、応挙風の枠にとらわれない、自由で大胆な画風が特徴。

鈴木其一すずききいつ

11795-1858(寛政7年-安政5年)

江戸後期の絵師。江戸琳派の祖・酒井抱一の弟子。江戸琳派の優美な画風を基盤としつつ、斬新で独創的な作品を描く。

魚屋北渓ととやほっけい

1780-1850(安永9年-嘉永3年)

江戸後期の浮世絵師。江戸後期を代表する浮世絵師・葛飾北斎の高弟。北斎の門人の中では蹄斎北馬とともに双壁とされる。

仙厓義梵せんがいぎぼん

1750-1837(寛延3年-天保8年)

江戸後期の臨済宗総古月派の禅僧

中原南天棒なかはらなんてんぼう

1839-1925(天保10年-大正14年)

明治期を代表する臨済宗の僧

竹に雄鶏図

串貝図

寒山図

鯉 図

鷹 図

田家双鶏図

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