「公募ー日本の絵画2016-」大賞・優秀賞受賞作品 永井龍之介 講評

大賞 佐藤真美「mountain」 F100 岩絵具、墨、木炭

理想は、太古のロマンでしょうか。 そのイメージを画材の特色を生かし、造形的に描こうとしている意図は分かります。
ただ、細かい形にとらわれていて、まだ山の写しに留まっています。 もっと大胆に破たんを恐れずに作画に没入し続ければ、いずれ理想郷が表れてくることでしょう。
可能性を秘めています。
大自然に学び、鉄斎、等伯、雪舟、そして宋、元に倣い、スケールの大きな水墨画を目標に、一層の精進を期待します。


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優秀賞 大橋裕一「地獄の花」 S50 油彩

連続入選、入賞。確かな描写力と美術史、哲学の深い教養に裏付けされたテーマ、尽きせぬ想像力から生み出される熟練の絵画は、安定感があります。
仏教をより究められて“東洋のボッシュ”としてこれからも展開が楽しみです。


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優秀賞 村松泰弘「渓流に佇む」 F100 水彩

数多く応募された写実絵画のなかで、最も高い評価を得ました。
自然と人間の共存をテーマに、永遠に続く自然界の息吹きが生き生きと表現されています。
日本の豊かな自然、風土の魅力を伝える堅実な風景画です。


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